
フクバカ ~働く男の昼休み~vol.6

はじめに
シゴトバカタログ編集部の“服をバカほど愛する男”「M」と申します。
(服のサイズはXLですが…)
『フクバカ ~働く男の昼休み~』では、妻の手作り弁当でランチ代を浮かせながら、魂が反応する一着を求めて、街の服屋さんを巡る服バカ営業マンの気ままな昼休みのひとときを、ゆるっと楽しみながら、ちょっぴり真面目に綴っていきます。
ふらっと立ち寄り、グッとくる。そんな一着が待っている!
午前の打ち合わせを終え、今日は直江津の海浜公園、通称“タコ公園”の駐車場でランチタイム。
本日のランチは、ガパオライス!。
ご飯の上にぽんと鎮座する目玉焼き。——ただそれだけで思わず気分が上がってしまう単純な私。
黄身を割った瞬間に広がるオレンジ色のマグマ……しばし無言で見つめてしまうほどの幸福感。
妻が早起きして作った弁当を10分で飲み込む。
ありがとう、うまかった。
午後イチのアポまでの移動時間を差し引いて――私に与えられた“自由時間”は残り40分。
今日はノープラン。何が欲しいというわけではない、ただなんとなく服が見たい気分。
そんな時こそ、ふらっと寄れる古着屋がこの近くにあるじゃないか——
というわけで向かったのは、五智の flat(フラット)。
お店のドアを開けると、にこやかに迎えてくれたのはオーナーの 長谷川さん。
一見すると今どきの感度高めな若手オーナー……なのだが、1990年代から2000年代初頭のファッション誌も読み込み、当時の流行や背景を研究して仕入れに活かすなど、勉強熱心な一面も。
“私のようなお〇さん世代”の心にも刺さるアイテムをしっかりピックするセンスの持ち主だ。
奥さまと二人三脚でお店を切り盛りし、メンズ・レディース両方をバランスよく取り揃え、さらにアクセサリーや小物などの雑貨も販売しているところがこのお店の魅力。
コンセプトもしっかりしていて、清潔感も◎! 夫婦で息の合ったお店づくりが印象的だ。
店内を⾒渡すと、どの商品も――
『本当に古着?』
と驚くほどのグッドコンディション。
さらにリーズナブルな価格設定で、良質な古着がずらりと並んでいる。
真夏ということもあり、店内はTシャツ祭り状態。
その中から特に気になったのはこの4枚――
90s PEANUTSのTシャツ
この時代を感じさせるデザインと肉厚で弾力のあるインクを使ったシルクスクリーンプリントがGood!経年劣化のクラックもこれから楽しめそうだ。
00s バラク・オバマのTシャツ
選挙用のプロモーションでしょうか。思わずクスッとする、ユーモアの効いた面白い一品。シャツのインナーでチラッと覗かせるのが良いかな…TOP1枚で着る勇気は私にはありません(笑)
SupremeのTシャツ
ブルーとホワイトの爽やかなカラーリングが、海に着ていきたくなる一枚!
stussyの半袖スウェット
ミリタリーテイストのプリントながらも、某ハイブランドのロゴをオマージュしたような遊び心が光るアイテム。
そして、今日もっとも魂を刺激された一品は──
00s Levi’s Horizontal Striped T-Shirt [made in PAKISTAN]
Levi'sのボーダーTシャツ。しかも、珍しいパキスタン製!
ブラックとクリーム色のような絶妙なホワイトの太ボーダーに、差し色の黄色が光るこの一枚。
ラックで見つけた瞬間、 秒で惚れた。
気づけば試着室へ直行。袖を通したらもう確信。めちゃくちゃイイ。
しかもこのクオリティでこの価格?お買い得すぎるでしょ!
迷う時間なんてゼロ秒。そのままレジへ一直線でした。
購入後もタイムアップぎりぎりまで、ガパオのエネルギーを使い切る勢いで掘って掘って掘りまくる。
ふらっと寄っただけのはずが、まさかこんなにも古着沼にどっぷり浸かってしまうなんて……。自分の服バカっぷりを改めて自覚する。
あっという間の40分。時間厳守が私の流儀だ。
魂を刺激する一着との出会いが、午後の仕事に向き合う私の原動力にもなる。
またこの街のどこかで。
どんな服と、どんな刺激に出会えるのか。
楽しみは、まだ尽きそうにない。