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学生が危ない!?増える“ブラック・インターン”の実態と知っておくべき対処法

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夏休みが始まり、学生がインターンシップに参加する季節になりました。
企業で実際に働くことで、将来の進路を考える材料にしたり、就職活動でアピールできる経験を積んだり...
学生にとってインターンはとても大切な機会です。

大手就職サイトの調査では、2025年卒の大学生のうち、約9割がインターンや仕事体験に応募し、実際に参加した学生も8割以上と、10年前の2倍以上に増えているとのことです。


でも最近、このインターンシップをめぐって深刻なトラブルが増えていることをご存じでしょうか?

「毎日終電まで働いているのに給料はゼロ」

「時給換算したら300円以下」

そんな声が全国からあがっているようです。今回は、学生が巻き込まれる“ブラック・インターン”の実態と、もし「それ、自分かも…」と思ったときにどうすればいいかをまとめてみました。

01

【1】
本来の「インターンシップ」とは?

【1】
本来の「インターンシップ」とは?


国(経済産業省・文部科学省・厚生労働省)が定めるルールによると、正式なインターンシップは以下のような基準があります。

・就業体験要件(実施期間の半分を超える日数を就業体験に充当)

・指導要件(職場の社員が学生を指導し、学生にフィードバックを行う)

・実施期間要件(汎用能力活用型は5日間以上。専門活用型は2週間以上)

・実施時期要件(卒業・修了前年度以降の長期休暇期間中)

・情報開示要件(学生情報を活用する旨等を募集要項等に明示)

つまり、「会社見学」や「説明会」だけではインターンシップと呼べず、しっかり働くからこそ“職業体験”になるという位置づけです。

でも、実際にはこの制度を悪用して、学生を「安く」「長く」働かせる企業もあるようです。

参考:令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります(厚生労働省)

02

【2】
具体的なトラブル事例

【2】
具体的なトラブル事例

【CASE 1】
8時間働いて日給5000円、時給にすると…625円!?


 「インターン先で9〜18時の勤務。日給は5000円ですが、これって時給に直すと最低賃金以下なんですよね。さすがにやる気も落ちてきてしまい…」友人に相談し、これはおかしいのではと気づいたそうです。

【CASE 2】
長期インターンのはずが…1ヶ月半働いて「給料0円」


 「通信系の企業で、営業のインターンをしていました。採用ページには“有給”と書いてあったのに、1円も振り込まれていません…」企業に問い合わせても「担当者不在」「確認中」と返されるばかりで、未払いのまま終了してしまったとのこと。

インターンでも、給料は請求できる?



「インターンだから給料はもらえない」

「最低賃金以下でもインターンだから仕方ない」



そんなふうに思い込んでいる学生さんも、意外と多いのではないでしょうか。



でも、実は働き方の実態によっては、法律上“労働者”として扱われ、給料が発生する場合があるんです。



厚生労働省の通達によれば…


企業から業務の指示を受け、会社の利益に貢献するような仕事をしている場合、

たとえ「インターンシップ」と呼ばれていても「労働者」として見なされます。




その場合、企業は以下のことを守る義務があります。

・最低賃金を支払う

・労働時間を管理する

・残業がある場合は割増賃金を払う




たとえ契約書に「無給」と記載されていても、働いた実態があれば無効になります。

労働法は“契約より実態重視”なのです。


03

【3】
「おかしいな」と思った時、
やるべきことは?

【3】
「おかしいな」と思った時、
やるべきことは?





✔ 勤務時間や仕事内容を記録しておく

提出した日報や、業務指示に関わる履歴などをスクリーンショットなどで保存しておきましょう。




✔ 専門機関に相談する

記録した内容をもとに労働相談所や労働基準監督署などの専門機関に相談しましょう。




✔ 学校のキャリアセンターに伝える

同様のトラブルが報告されているケースもありますので必ず報告しましょう。



04

【4】
不安に思ったら、
相談窓口の活用を!

【4】
不安に思ったら、
相談窓口の活用を!




無料で相談できる窓口があります。

一人で悩まず、まずは相談してみてください。


いかがでしたか? 「将来のために」と懸命に頑張る学生たちが、不当な扱いを受けることはあってはならないことです。

インターンシップは、これからの未来につながる大切な一歩。
だからこそ、自分の時間や頑張りがきちんと尊重される環境で経験を積むことが大切です。

「ちょっと変かも…?」と思ったら、周りに相談してみてください。

正しい知識と準備があれば、きっと安心して成長できる場所に出会えます。

自分らしい未来へ、少しずつでも一歩ずつ進んでいきましょう。


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